みなさんこんにちは。

 

スポーツの秋。いかがお過ごしですか?

2週連続でラグビーの試合に出場し、脚が内出血や謎の腫れでボロボロのすぎたです。

 

私の父は放射線技師です。

小学生の頃、足首を捻挫してひどく腫れたことがありました。

骨折も疑われてレントゲンを撮ってもらいました。

はじめてのレントゲンでした。

撮ってくれたのは父でした。

はじめて見る放射線技師の父はいつもと違って見えました。

 

 

ところで、いよいよ気温が下がり、咳や鼻水が出るお子さんが増えました。大人の方でも体調を崩されている方が多いですね。

多くの場合、いわゆる“風邪”として様子を見ることができますが、なかにはひどい咳が長引くこともあります。

そういった際によくお受けするご質問が今回の表題です。

「レントゲンを撮らなくてもよいのか?」

 

まず、子供と大人とでは起こり得る病気の種類が違います。

今回は子供さんを中心にお話しさせていただきます。

 

これからの季節によく見られるケースです。

咳や鼻水がひどく、ぜーぜーしんどそう。咳込んで吐いてしまう。夜中に何度も起きてしまう。朝起きたらずっと咳をしている…

そういう時に、「肺炎じゃないだろうか?」「何か悪い病気じゃないだろうか?」「とにかく不安でしょうがない!」といったところが“親心”ですよね。

 

放っておいたら肺炎にでもなるんじゃないか?レントゲンを撮ったら何かわかるんじゃないか?

そういった思いから「レントゲンを撮らなくても大丈夫ですか?」につながるんだと思います。

お気持ちは重々理解できますが、実はお子さんのそういった症状において、レントゲンを撮ることで治療法が大きく変わることは少ないんです。

 

大人と違って、レントゲンを撮ってみたら肺癌が隠れていたとか、呼吸器症状だと思っていたけど心不全だった、なんていうことが圧倒的に少ないんです。

私は重要なのは以下の2点だと思っています。

☑呼吸状態

肩で息をしたり、お腹をへこませて呼吸をしていないか?など

☑聴診初見

肺炎や気管支喘息を疑うような胸の音ではないか?

 

極論を言えば、レントゲンでしっかりと肺炎の影があったとしても、呼吸が穏やかで胸の音も大丈夫であれば、通院治療が可能なことがほとんどです。

私が診察時に「肺炎かどうかは正直どうでもいいんです」などと過激な発言をすることがあるのはそういう意味です。

よくご存知の方は、「レントゲンで肺炎を確認できたら将来もしばらく咳込みやすい子にならないか?また肺炎にならないか?早めの対処ができるじゃないか?」とおっしゃるかもしれません。

確かにそうかもしれません。ただ、一度肺炎を起こしたことがあるとしても、また調子を崩した時に丁寧に診てあげさえすれば十分な対応が可能だと思っています。

 

 

「はばこどもクリニック」時代からレントゲンは設置しておりますが、機器も古く、“遺跡”のように鎮座しております。小児科のクリニックレベルの診療において、私自身は整形外科領域以外あまり必要性を感じておりませんので、まさに“遺跡”状態で使用しておりません。

検査というのは、「ここぞという時に」というのが大切だと思っています。

 

 

なんだかレントゲンの悪口のようになりましたが、レントゲンと放射線技師の父のことは尊敬しています。