みなさんこんにちは。
とうとう三田でもインフルエンザで学級閉鎖がでましたね。
流行の兆しが見える中、一時的なワクチン不足で皆様には大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
表題の件です。
大人の方の受診でよくありますが、
「風邪だと思うんですけど市販薬を飲んでいてもなかなか治らなくて…」
みなさんは、医者なら当然病院で処方するような薬を飲んでいると思われているでしょうか?
少なくとも私は、市販の風邪薬を愛用?しています。
その市販薬の成分を私なりに分析してみました。
【成人1日量】
アセトアミノフェン 900mg
熱を下げる、痛みを和らげる
有名なもので言うとカロナールと同じ成分で、2-2.5回分の量です。
無水カフェイン 75mg
頭重感を和らげる
「ファイトが出る」栄養ドリンク1.5本分です。
d-クロルフェニラミンマレイン酸 3.5mg
くしゃみ鼻水を和らげる
“鼻水止め”として処方するような薬の1/3日分にも満たないくらいの量
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 48mg
咳を和らげる
メジコンという咳の薬がありますが、これの標準的な1日量です。
d-メチルエフェドリン塩酸塩 40mg
気管支を広げる
日常診療でこの成分をあえて処方することはほとんどありませんが、標準的な量の半分です。
ブロムヘキシン塩酸塩 8mg
痰を出しやすくする
ムコダインなどと同じ効果が期待できる成分で、標準的な量の約2/3です。
まとめますと…
☑病院で処方するような薬で言うところの、1日2-3回の解熱剤、1回分の鼻水止め、1日量の咳止め、半日量くらいの気管支拡張剤や痰切りの薬、栄養ドリンク1.5本分のカフェイン
市販の風邪薬でこれくらいを摂取できるわけです。
完全に私個人の意見ですが、非常に優秀だと思っています。
私がよく服用するものはたまたま、鼻水止めの成分が少ないですが、色んなタイプがありますよね。
このブログをご覧いただいている方にはくどいようですが、「風邪を治す」薬はありません。
あくまで「風邪の諸症状を和らげる」薬があるだけです。
われわれ医者が処方する薬は、症状を狙い撃ちした内容です。
つまりは、例えば熱と頭痛だけであれば、解熱鎮痛剤のみということになります。
だからといって、いつまでも受診せずに自宅で我慢していたらいいというわけではなく、
熱が長引くとか、のどの痛み・鼻水・咳などの症状がいくつもまんべんなくあるというより、極端に咳だけがひどいとかのどの痛みが激しい、などがあれば抗生剤など特殊な薬が必要なこともありますのでご注意ください。