みなさんこんにちは。

 

伝言ゲームがなぜ正確に伝わらないのか???

Aさんが言葉にしたものをBさんが耳で聞き、それをイメージ化してBさんが再度言葉にしてCさんに伝える…

確かに、単純に音のリピートをしているだけではなく、その過程にはそれぞれの人間の耳の精度や想像力に左右される部分が入り続けますよね。

 

 

年明けからインフルエンザが大流行し、まだまだ勢いが衰えませんね。

世間では間違って信じられていることが少なくありません。

表題の件ですが、

「インフルエンザの時は解熱剤を使えない」と思われている方がいらっしゃいます。

原因は医師の説明不足なのでしょうが、他に2点考えました。

 

☑「熱を下げると抵抗力も下がる」と思われがち

こちらに関しては以前の記事にも記しましたが、高熱で十分な栄養や睡眠が摂れないようでは元も子もありません。解熱剤は使いようですね。

 

☑「インフルエンザの際に避けた方がよい種類の解熱剤がある」が正しく伝わっていない

実はインフルエンザに感染した際には避けた方がよいとされる解熱剤があります。

そもそもお子さんの解熱剤としてはアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ、アルピニーetc.)くらいしか処方しませんが、よく使用されるロキソニンであったり、ボルタレン、ポンタール(最近は少ないか)は脳炎や脳症との関連も指摘されています。

また、バファリンを内服される方も多いですが、非常に稀ではあるもののライ症候群(脳や肝臓に影響を及ぼす疾患)とアセチルサリチル酸という成分との関連も言われています。

 

こういった内容が正確に伝わらずに、「インフルエンザに解熱剤を使ってはいけない」になったのかもしれませんね。もちろんあくまで私の勝手な推測に過ぎません。

 

 

先日、ABC朝日放送の「雨上がりのAさんの話」で以前のブログ記事の内容を取り上げていただきました。医療や健康をテーマとして、常識だと信じられていることが実は間違いだったという趣旨のコーナーでした。正直、依頼の電話があった時にはイタ電だと思いましたけどね。(笑)

 

正しかったはずの知識が“伝言ゲーム”によって微妙に間違って伝わっていることがたくさんあります。

そこを一つ一つ正しく伝えていくのも開業医の使命だと思っています。