みなさんこんにちは。
医療機関を受診した際に、「○○ウイルス感染症ですね」や「△△病ですね」
といったような具体的な診断を下される方が患者心理としては安心な気持ちは理解できます。
一方で、医者心理としては「何かと聞かれると困るけど、少なくとも大丈夫なはず」というケースが実はほとんどで、それをどううまく説明するかがキーになってきます。
先週あたりから「保育園で手足口病が多いみたいです」といった受診が多いです。
ニュースや記事でも流行が報道されていますね。
兵庫県の報告を見てみましょう。
最新のもので第24週(6月10日~16日)の報告です。
☑手足口病ってどんな病気?
👉いつ流行る?
主に夏に流行する感染症です。
👉どんな発疹?
文字通り手や足や口に膨らみのあるブツブツが出ます。手のひらや足の裏に出るのが独特ですが、お尻や肘など全身あちこちに出るケースもあります。
👉大人も発症する?
ほとんどが幼稚園児・保育園児の年齢層ですが、学童でも大人でもしっかりと手足口に発疹が出ている方もおられます。
👉どんな経過?
発熱は1/3程度と言われており、熱自体も高熱にならないことが多いとされています。ただし、たまたまかもしれませんが先週から当院で診察しているお子さんは高熱の方がなぜか多いです。
特徴的な発疹は感染から3-5日後と言われていますので、熱が出てすぐにはまだ発疹が目立たないこともあります。せいぜい1週間以内には消失しますが、しばらく痕のようなものが残ることもあります。また、まれに数週間後に爪がはがれるケースもあります。
👉治療は?
有効な治療法はなく、解熱剤などで症状を和らげながら「治るのを待つ」しかありません。発疹にも特別な処置は必要ありません。
👉いつから登園(校)できる?
インフルエンザなどのように、登園(校)に関しての明確な基準はありません。
実は治ったように見えても数週間はウイルスが排出されていると言われています。
つまり、急性期のみ登園(校)を制限してもあまり意味がないこと、見た目のインパクトは強いですが軽症が多いことから、「熱も下がって本人が元気であれば発疹に関わらず登園(校)が可能」とご案内していますが、最終的には園なり学校なりの管理者の判断ということになります。
手足口病のように、「○○病」とわかりやすい病気であっても、大した治療法がないなんてこともあるあるですね。