みなさんこんにちは。
いよいよ今年は東京オリンピック、のはず、ですね。
新型コロナウイルス問題でマラソンなどの中止が続出するなか、約半年後に迫った開催は一体どうなるんでしょうか…
昨日(2月20日)発表の兵庫県感染症発症動向ですが、👇のようにインフルエンザの患者数はピーク時で例年の40-50%にとどまっており、すでに下火になりそうな動きになっています。
当院周辺でもインフルエンザの方はだいぶ減りましたね。
一方で、普段に比べて少し増えてきたのが“マイコプラズマ”です。
👇も兵庫県の発生動向です。2020年の患者数はどうなるでしょうね。
突然ですが、みなさんは“オリンピック病”ってお聞きになったことがありますか?
そうです。マイコプラズマの通称です。
最近でこそその傾向は崩れてきたものの、なぜか夏季オリンピックイヤーに流行することからそう呼ばれています。
👇は2010年以降の全国の定点当たりの報告数です。
確かに2012年と2016年は多いですよね。
年明けから当院でもマイコプラズマの患者さんが増えました。
表題の件です。
診察中にマイコプラズマのお話をさせて頂くと、
「あー、肺炎になるやつですよね!」
とおっしゃる方が少なくありません。
マイコプラズマ感染症は複雑な一面もありますので、できるだけシンプルにご紹介しておきます。
☑マイコプラズマって何?
生物学的には細菌ですが、細胞壁の構造が特殊なので有効な抗生物質が限られています。
☑どうやってうつるの?
身近で接触する人からの飛沫感染です。
“咳の風邪”がうつるような感じでうつると思っておいていただいていいと思います。
☑潜伏期間は?
感染して発症するまでは、少し長めの2-3週間とされています。
☑症状は?
典型的には発熱や咳です。
特徴的なのは、解熱しても数週間しつこい咳が残ったりすることです。
☑治療は?
限られているとはいえ、有効な抗生物質があります。ただし、第1選択薬とされる薬剤に抵抗力(耐性)のあるマイコプラズマが問題になっています。これは医者の責任なのですが、不適切な抗生物質の処方が一因だと思われます。
☑学校や幼稚園はいつまで休まないといけないの?
インフルエンザ等のように、「○○してから△△日まで」といった明確なものはありません。
風邪の時と同じように、「熱が下がって本人が元気になったら」といったところでしょうか。
☑それで結局、マイコプラズマは肺炎になってしまうの?
確かに、若い年齢層における肺炎の原因の上位であることは事実です。
しかし全員が肺炎になるわけではなく、むしろほとんどの方が「咳のひどい風邪」程度で済んでいるはずです。
☑でもうちには小さな赤ちゃんがいるんだけど!
誤解を恐れずに記しますが、不思議と乳児のような“小さい子”ほど感染ないしは重症化しにくい傾向にあります。
免疫機構が未熟なほうが重症化しにくいようです。
経験的には3-4歳くらいから患者さんが増える気がします。
COVID-19もそうですが、身近に迫る感染症はたくさんありますのでお大事に…