みなさんこんにちは。
この時期になると、「家族に受験生がいるからうつると困るんです」といったお話がよく出ます。
私は中学と大学の受験を経験しましたが、特に中学受験は家族で戦った思い出がありますね。
懐かしいです。
ところで、おたふくかぜのワクチンもまだ任意接種です。
おたふくかぜもインフルエンザ同様、学校保健安全法での出席停止期間がそこそこ長いんです。
「腫れが出始めて5日経過し、かつ全身状態が良くなるまで」
とされています。
☑おたふくかぜとは
おたふくかぜは咳や唾液を介して感染します。
2-3週間の潜伏期間を経て、主に耳下腺の腫れが1-3日でピークとなり、3-7日かけて引いていきます。
熱は1日程度で下がることも1週間近くに及ぶこともあります。
本邦では4-5年周期での流行が見られており、直近では2016年に流行しました。
☑おたふくかぜの合併症
誤解を恐れずに言いますと、おたふくかぜはほとんどのケースで大事に至りません。
しかし、合併症として難聴・精巣炎・卵巣炎・髄膜炎・膵炎・腎炎などがあります。
特に難聴は警戒すべき合併症で、発症すると聴力の回復が困難です。頻度は幅がありますが、400-20000人に1人とされています。多くは片側ですが、両側に発症する場合もあります。
また、思春期以降の人が初めて感染すると、精巣炎(20-40%)や卵巣炎(5%)の合併頻度が上がると言われています。精巣炎を合併すると、不妊症となることは稀とはされていますが精巣萎縮や精子数低下を招きます。
☑おたふくかぜの予防接種
❓効果は❓
接種後の抗体陽性率は90-98%で、接種後3週間から抗体が上がり、6-8週間でピークに達します。
❓何歳で接種するのがいい❓
おたふくかぜは4-5歳が最も多く、保育所や幼稚園、小学校といった集団生活で感染機会が増えます。
日本小児科学会は、12-15か月に1回目、5-6歳に2回目の接種を推奨しています。
❓予防接種の安全性❓
予防接種でも自然感染と同じような症状が出ることもありますが、頻度は下のように低くなっています。
❓免疫があるかどうか❓
ご自身に免疫があるかどうかを調べたい方は血液検査での確認が可能です。
☑おたふくかぜの予防接種は受けるべきか?
「おたふくかぜは打った方がいいですか?」という質問をよく受けます。
結論から言いますと、任意接種である以上“考え方次第”ですとお答えしています。
ちなみに、「これだけ勉強すれば志望校に90-98%合格する」と言われたら、私なら辛くても「これだけ勉強する」と思います。
注射は痛みとコスト、ひょっとしたら副反応のリスクも伴いますが、今回の内容をふまえてみなさんお考え下さい。
定期接種ですら“強制”するものではないので、ましてや任意接種はみなさんがリスクとベネフィットをどうお考えになるかということにはなります。
私は来年小学校に上がる次男に“強制”しようとしていますが、今のところ丁重にお断りされております…