みなさんこんにちは。

 

今月はブログの更新がいつも以上に滞ってしまい、逆にみなさんから私の体調をご心配頂くようなことまであり申し訳ありません。(笑)

インフルエンザも落ち着き、診療にも余裕が出てきましたが、それ以外の仕事がたまたま多くて手が回っていないだけでした。つまりはただの“サボり”です。

 

実はもうひとつ言い訳がありまして…

この2月と言えば、そして関西と言えば、さらには小児科医にとっては…

そうです、麻疹について触れざるを得ませんね。

同じく今月世間を騒がせたSNSでの不適切動画ではありませんが、ありがたくも当ブログは沢山の方にご覧いただいているようですので、社会性の強い内容については記事にするのに慎重になってしまうんです。

 

 

「〇〇頃に△△の✕✕コーナーに行ってしまったんですが、麻疹は大丈夫でしょうか?」

そういったご相談を何件もお受けしました。

 

そもそも、麻疹ってどんな病気でしょうか?

聞いたことはあるけど、「こんな病気です」と説明できる方は少ないと思います。

それもそのはずで、日本ではほとんどの方が予防接種歴があり、“稀な感染症”の一つだからです。

 

では、どのような病気なのかを簡単にお話ししておきます。

まず初めの2-3日は38℃くらいの熱や咳など、“普通の風邪”とほとんど見分けがつきません。

そして少し熱が下がったかな?と思っていたら1日も経たないうちにまた高熱が出て、いよいよ特徴的な発疹が頭から足に向かっての順に出現します。

 

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↑の表や↓の2段目にある「コプリック斑」という所見が、発疹が出る少し前に見られることがあると言われていますが、実際多くの医師にとってはその時点で麻疹を強く疑い、入念に観察してわかるかどうかだと思います。

 

図  麻疹の発疹とコプリック斑

https://medical.jiji.com/medical/023-1025-01

 

おわかりと思いますが、発疹が出現して「麻疹らしく」なって初めて診断されることが多いわけです。

しかも厄介なことに、「麻疹らしく」なる前に感染力がすでに強いんです。

では感染が疑われたら事前に何らかの検査が可能か?というと、時間を要するものばかりなので、本当に麻疹であれば、検査結果が得られる前に“見た目”で診断がつくことになります。

 

「〇〇頃に△△の✕✕コーナーに行ってしまった」のような場合、どうすればよいか?

潜伏期間はせいぜい10日ちょっとなので、10日後くらいに発熱・咳・鼻水・目脂などの症状が出現するかどうか?

☑その場合、ただの風邪のように見えても受診の上、4-5日は自宅安静しておく。

☑ただし、よほど濃厚な接触があったと思われる場合は、抗体のない方は風邪症状がなくても2週間くらい無用な外出を避けるべきでしょう。

☑また、抗体のない方は、接触から72時間以内であれば緊急のワクチン接種で発症を予防できる可能性があるとされています。

 

 

こういう機会に、今一度ご自身の予防接種歴をご確認いただき、接種歴がない、もしくは不明な場合は遠慮なくご相談ください。