はじめにこれは明確な医学的根拠に基づいたお話ではなく、あくまで私個人の考えであることをお断りしておきます。
「解熱剤は何℃から使ったらいいですか?」というご質問をよく受けますが、
「何℃だろうとしんどそうだったら使ってあげてください」とお答えすることが多いです。
そっけない答えだなと我ながら思うこともありますが、今日はどういう思いでそうお答えしているかお話しします。
私は実はこう見えて病弱でして、38歳になってもしょっちゅう高熱を出します。子供の頃は熱を出すたびに嘔吐していて、医者になった今思うと、一度も髄膜炎を疑われて髄液検査をされなかったのはラッキーだったなと。
何歳になっても高熱はつらいものです。高熱の初日や二日目にはまだ解熱剤の効き目が薄いこともありますが、少しでも熱が低めな時間を作ってあげることができれば、食べる元気が出たり、子供の頃の私のように吐き気が減ったりするものです。
一方で、「熱を下げると治りが遅いって聞くんですが」という声もあります。
私見では、「そんなことない!」と思っているのですが、ここではその科学的真偽には言及しません。
ただ、もし解熱剤を使うことで治りが「多少」遅れても、(極論かもしれませんが)
「高熱に耐える〇日間」と
「1日の半分くらいは熱が低い(〇+1)日間」だとどちらがいいでしょうか?
私自身もしくは私の息子二人に関しては後者を選びますので、患者さんにもそう勧めています。お子さん本人もそうですが、看病する親もラクですしね。子供の病気は家族で乗り切らないといけませんし。