みなさんおはようございます。

新学期ですね!入園や入学のお子さん、ご家族はおめでとうございます。

最近では熱を出すお子さんも減って、こちらものんびり仕事させてもらっていますが、年度末の’かけこみ予防接種’と年度初めに忘れないうちにという予防接種の方が多いですね。

 

ところで、赤ちゃんの定期予防接種の種類が少しずつ増え、打つ方も打たれる方もどんどん大変になりますね。多少の議論は残るものの、もはや同時接種が当たり前になっています。

そんな中、ご存知の通り平成26年10月から水痘(水ぼうそう)ワクチンも定期接種になっています。

 

以前は、子供のうちにちゃんと水ぼうそうにかかっておく方がいいという考えから(?)、水ぼうそうになった友達のところへわざわざ遊びに行かされていた、なんてことも聞きます。

もちろん予防接種をすれば完全に感染しないわけではないですが、そうやってわざわざ「もらいにいく」こともなくなるわけです。

 

ここで、小児科医としてはちょっとした悩みも発生します。

世の中から絵に描いたような水ぼうそうの子が減ることになります。いま現役の医師たちが麻疹(はしか)を滅多に見ないのと同様のことが近い将来起こるんだと思います。

事実、例えば1回だけ予防接種を受けたことのある子がちょっとしたブツブツだけで受診され、「これは水ぼうそうかな?どうだろうな?」と悩むことはよくあります。知識不足・経験不足と言われたらそれまでですが、私と同じように感じておられる小児医療従事者は少なくないのでは?

 

今年になって、この水ぼうそうの迅速検査キットが世に登場しました。ブツブツを棒でゴシゴシして10分前後待つだけです。

母「昨日気付いたんですけど、このブツブツ。最近保育園で水ぼうそうの子がいたらしくて…」

医「んー、これねー、水ぼうそうと言えるほどでも典型的ではないけど、まわりにいたんですよねー…」

ってな流れから実際に検査してみて、陽性。

「これが水ぼうそうなのか!」ということが何度かありました。

 

実は今回の本題はここからです。

 

お父さんやお母さんほかのご家族、すなわち大人の方はご自身が水ぼうそうになったことがあるか、もしくは抗体(抵抗力)があるかをご存知ですか?大人になってからの水ぼうそうは重症なことがしばしばで、高熱や強い頭痛に何日も苦しむことがあります。

 

お子さんが水ぼうそうになった

自分はかかったことがあるか?もしくは抗体を持っているか? NO

自分が発症しないように天に祈る

ではないですよ!

接触から72時間以内に予防接種を受けることができれば、ほぼ発症せずに済むんです。

 

そういう点で、お子さんの「怪しい」ブツブツが水ぼうそうかどうか検査キットで白黒つける(もちろん100%ではないが)のは意味のある事だなと思っています。

 

そして今回の一番のメッセージは、特に大人の方はご自身が水ぼうそうにかかる可能性があるのかどうかを知っておくこと、そして接触があった場合に予防接種が有効であるというのを知っておくことが重要だということです。

 

長くなりました。