みなさんこんにちは。

最近は日によって寒暖差が大きいですが、おおよそすごしやすい気候ですよね。小児科は季節ないしは流行する感染症に影響を受けやすい科です。医療者側から言えば、忙しい時期と余裕のある時期の差が大きい科になります。ちなみに最近は嘔吐や下痢の子が多めではありますが、爆発的に流行しているものはありませんので、私ものんびり仕事させていただいております…笑

 

ところで、ちょうど春から初夏にかけて増える感染症の一つに溶連菌感染症があります。私は週毎の感染症情報(兵庫県)をチェックしているのですが、最新の第19週(5月7日-13日)が以下の通りです。統計上も胃腸炎が増えており、2位のA群なんちゃらなんちゃらというのが溶連菌のことです。ちなみに3位4位はアデノウイルスの感染症です。

 

週報http://www.hyogo-iphes.jp/kansen/infectdis/Wreport.html

 

私の考え方としては、患者さんもしくは患者さんの属する集団(ご家族、幼稚園や学校など)にとってメリットの少ない検査は無用だと思っております。逆に言えば、診断がつけば有効な薬剤があるとか集団管理の上で役に立つといった場合には検査をしています。

ちなみに溶連菌は以下の2点を考慮して、疑わしい場合には積極的に検査しています。

*抗生剤が有効である点

*合併症(腎炎、リウマチ熱など)の可能性がある点

 

この溶連菌感染症ですが、登園や登校の制限がインフルエンザのように〇日というように明確ではありません。抗生剤を飲み始めて24時間経過すると感染力が概ねなくなると言われており、通常で言うと「受診日と次の日までお休み」というところでしょうか。もちろん熱が下がって元気なことが前提です。

 

最後にこっそりウラバナシを。

検査するときの迅速キットなのですが、反応が極うっすらとしか見られないことも実はよくよく経験します。溶連菌は抗生剤が効きやすい細菌ですので、1-2日で熱が下がることが多いです。3日後でも高熱が続くようなケースは再受診してくださいね。

また、溶連菌に対する第1選択の抗生剤は10日間飲んでもらうことになります。1-2日で元気になっても、きっちりすべて飲み切ってくださいね。“ぶり返す”ケースもよくありますので。