みなさんこんばんは。
暑いですね~なんて言っておきながら、車通勤なので実はそれほど酷暑を実感していないのです。すみません。
前回の記事にも書きましたが、この時期は熱以外にさほどはっきりとした症状のない「風邪」が増えますね。
「では解熱剤を適宜使ってあげながら経過を見ましょう」とお話しすると、
「???カゼ薬はないんですか???」
と聞かれることがよくあります。
いわゆる「風邪」に対する薬は、その「風邪」の諸症状に対する薬なので、熱しか症状がなければ、薬は解熱剤のみということになります。
こちらもよくある質問です。
「解熱剤は何℃で使ったらいいんですか?」
私はいつも「何℃でもいいですよ」とお答えしています。37℃台後半でも機嫌が悪いとかしんどそうであれば使ってもいいですし、39℃でもゴキゲンなら使わなくてもいいでしょう。
まれに、37℃くらいで使ったら体温が下がりすぎると心配される方がいますが、だとすると鎮痛剤として使えないですよね?
2018年1月21日の「解熱剤は何℃で使う?」もご参照ください。
「熱に耐えた方が早く治る」とよく言われます。確かに、人間は病原体とよりよい条件で戦うために発熱するのですが、下のような論文もあります。ちなみに日本発信です。
もちろんたったひとつの論文を鵜呑みにすることが浅はかなことはわかっています。あくまでご参考程度に。内容は、風邪でロキソプロフェン(=ロキソニンとして有名な解熱鎮痛剤)を投与すると、わずかに症状が長引く傾向にあるが、(統計学的には)回復に差はなかった。
これは私見です。
特にお子さんの場合は熱が高いだけで、とたんにごはんが食べられなくなったり、眠れなかったりします。解熱剤は感染症の根本を治すものではありませんが、少しでも“休戦”する時間を作ってあげるほうがいいと思います。
ようやく最後に表題の件です。
「坐薬の方がよく効きますよね?」
「いえ、一緒です。」
まず、小児で最も用いられるアセトアミノフェンの内服と坐薬での血中濃度です。
まずは内服の場合が↓
次に坐薬の場合が↓
内服の方が用量が2倍になっているので、内服の縦軸の目盛りは半分で比較してください。これを見ると、なんと「内服の方が速くそしてよく効く?」となりますよね?
ただ、実際には効果としては同等とされています。下の論文などをご参考に。
「坐薬と飲み薬はどっちがいいんですか?」とよく質問されますが、
坐薬を嫌がる子は飲めばいいし、飲むのが嫌な子はお尻から入れてしまえばいい、という感じですね。
暑苦しい夜に暑苦しい記事でした…