みなさんこんにちは。

晴れが続いても雨が続いても文句を言いたくなる。何事もほどほどがいいですね。ところで「晴れ」ってどういうことでしょう?

「空を見上げて雲の割合が8割以下」だったら「晴れ」だそうです。

ちなみに「快晴」は雲が1割以下、「曇り」は9割以上とのこと。

ちゃんと定義されているんですね。

 

前回の夏バテがらみで今回はもう一つお話しさせていただこうと思います。

表題の件です。

“元気になる”点滴や薬はあるのか?

「最近疲れがひどくて元気になる点滴とかないですか?」というご質問が最近は特によくあります。

答えは、うぅーーん、“ほぼ”NOです。

 

ここで言う「点滴」は、末梢点滴(入院して首や肩などの太い血管から行う点滴ではなく、手先などからの点滴)のお話であることを前置きしておきます。

 

では点滴は全く意味がないのか?

もちろんそんなことはありません!私の考える、クリニックレベルで行う点滴が有効なケースは以下の4点です。

1.脱水の改善

 熱中症や胃腸炎の際には非常に有効なケースがあります。

2.低血糖の改善

 特に痩せ型のお子さんで、自家中毒のように嘔吐を繰り返したりすることで低血糖を起こすことがありますが、速やかにブドウ糖の投与が可能です。

3.抗生剤の投与

 内服薬より有効なことがあります。

4.諸々の理由で内服薬が使えない

 直接血管内投与が可能です。

 

では、「元気になる」とはどういう成分が入っていることが期待されているのでしょうか?いわゆる「栄養」と呼ばれる類でしょうか?

☑カロリーはどれくらい?

カロリーは糖質、脂質、タンパク質から摂取しますよね?脂質の点滴もありますが、基本的にはブドウ糖です。末梢点滴のブドウ糖濃度はせいぜい5-10%です。それ以上の濃度は血管の問題から投与できません。つまりよく目にする500ml1本ではブドウ糖25-50g、すなわち100-200kcalなのです。おにぎりを1日1個食べられる人にとったら大したメリットがないですよね。

☑ビタミン、ミネラル

確かに、ビタミンや塩分などの電解質も投与できますが、それこそおにぎり1個食べられるような人なら、あえて点滴で補充する必要もないでしょう。個人的にはサプリや栄養ドリンクなら手軽に摂取できて便利だと思います。

 

関連してもう一つお話です。

「点滴をしたら風邪が早く治る」は本当でしょうか?

これも答えは、NOです。

かく言う私も幼い頃には風邪をひいて熱を出したら、かかりつけの先生のところで“注射”を打って欲しがっていました。何となくすっきりした気がしてましたね。(笑)

今思えば、たった20-40ml程度のブドウ糖を打ってもらっていただけなんだろうなと思います。

ただ、私は熱を出すとすぐに高熱になり、よく嘔吐していたので、“注射”が効いていた気がしていたのは、確かに脱水が改善されていたのかもしれませんが…

 

つらい時に人の温もりでさすってもらうだけで楽になる気がすることがあるように、点滴もそれで気分が楽になるのであれば悪くないのかもしれません。ただし、過度に効果を期待するのは禁物ですね。

 

「点滴はここぞという時に」

特にお子さんには恐怖や痛みによるストレスが強いので、有効な時に限ってやってあげたいと思っています。