みなさんこんばんは。

台風が過ぎ去っても三田はまだ風が強いですね。

 

「めまいがするほど…」なんて言いますが、いい意味でも悪い意味でも強烈な印象を表現する言い回しに「めまい」が用いられますよね。

 

ところで、↓の類のポスターをご覧になったことがある方は多いかと思います。

救急車タクシー

 

私はこれまで年齢や病気の種類にかかわらず救急患者さんの対応を経験してきましたが、命に直結しなくとも本当に救急車のお世話にならざるを得ないケースも多々あります。中でも、腰の椎間板ヘルニアや尿管結石、めまいは大変なことが多いですね。

 

今回は、めまいについて取り上げてみたいと思います。

そもそも「めまい」って何でしょう???

下向きにバットをおでこにあててグルグル回った後に起こるような、まさにグルグル景色が回るものを「めまい」と表現する方、エレベーターに乗った時に感じるようなフワフワとした感覚を「めまい」と表現する方、一瞬の立ちくらみを「めまい」と表現する方など様々です。

 

「めまい」という“日本語”の意味がやや曖昧なため、患者さんが「めまい」と表現された際に、こちらはまずどういう「めまい」なのかを探る質問をすることになります。

 

「めまい」と表現する症状が様々であれば、必然的に可能性のある原因も様々になります。

そのいくつかの原因を簡単にだけご紹介しておきます。

 

☑耳からくるめまい

「メニエール病」という名前をお聞きになったことのある方は少なくないと思います。グルグル回るようなめまいを発作的に繰り返すもので、吐き気や聞こえ方の変化を伴うことも多いです。

すぐに発作を止めてくれるような薬は中々ないのですが、当院でも点滴や内服で対応しますのでご相談ください。緊急の対応はさせて頂きますが、落ち着いたら一度耳鼻科受診をおすすめしています。

 

 

このような耳が原因となっためまいは、命に関わることも少ないですが、同じめまいでも以下のような危険なケースもあります。

 

 

☑首の血管からくるめまい

頸動脈が動脈硬化等で狭くなっており、一時的に脳の血流が低下して、目の前が真っ暗になったり血の気がひいたりします。後々の脳梗塞のリスクもはらんでいます。

 

☑脳からくるめまい

めまいと吐き気だけの脳梗塞というのもあります。私は研修医時代に救急の当直をしていた際、夜中に強いめまいと吐き気の方が受診されました。脳のことも頭に入れており、CTを撮影しましたが、発症から間もなかったため所見がはっきりしませんでした。その方は翌朝、脳外科を受診されて再検査の結果、小脳という場所の脳梗塞だとわかりました。これは今でも私の心の教科書に深く刻み込まれています。

 

☑血圧の異常からくるめまい

血圧は高すぎても低すぎてもめまい、ふらつきを感じることがあります。そもそも、それほど血圧が変動するには何か重大な原因があることも多いため油断は禁物です。

時々、「血圧が高すぎてしんどいから普段飲んでいる血圧の薬を追加で飲んでもよいか?」といったご質問もありますが、安易に血圧を下げると危険なケースもありますので、必ずご相談頂たいところです。

 

☑他にも、眼の異常や精神状態など、「めまい」の原因はたくさんあります。

 

 

うんざりするほど仕事が残っていてもめまいがしますし、驚くほど奇麗なお姉さんとすれ違ってもめまいがすることがあるでしょう。めまいは様々です。命に関わるようなめまいもありますので、慎重な対応が必要です。