みなさんこんばんは。
前回の記事でもラグビーで足がボロボロというお話をしましたが、今度は120kgのバーベルを肩に落としてしまい、内出血で“模様”を入れたお仕事の方のようになっています。笑
ラグビーはお察しの通り体育会系ですので、今の所属チームでも「そんなんツバつけたら治るわ!」なんて怒号をよく耳にします。笑
ところで、いよいよ咳と鼻水が止まらないお子さんが増えてきました。
私が未熟なのもありますが、咳の診療って非常に難しいなって思います。
世の中にはそれぞれの専門の学会が作成したガイドラインというものがたくさんあります。医師にとってのマニュアルのようなものですね。その中で、日本呼吸器学会が咳に関するガイドラインを作成しています。
下にほんの一部を抜粋します。
噛み砕きますと、
☑咳以外にあまり症状のない子は1-2週間は様子を見ましょうよ。
↓
☑それで治まればOK!
↓
☑でも続く場合は、「それって本当に問題となるような咳なの?」
「真に支障をきたす咳か?」この判断は非常に難しいと思っています。
もちろん、診察中に「胸の音が悪い」とか「SpO2(酸素の数値)が低い」とかあれば話は簡単ですよ。
でも、小児科の日常診療で多いパターンは、
胸の音も良い、お子さんも元気 ⇔ お母さんは「咳がひどい」と訴える
このギャップです。
表現を変えると
診察時に所見が問題ないなら大丈夫なはず ⇔ 1日中見ているお母さんが言うんだから本当に悪い
私は診察中にこういう葛藤にかられます。
まとめます。
一般的に、3-8週間続けば「遷延性(長引く)」、それ以上なら「慢性」の咳と定義されます。裏を返せば、「1-2週間の咳はさほど長いわけではない」とも言えます。
お子さんの咳の多くは“風邪”と分類されるものです。この時期の乳幼児は、咳や鼻水がない事の方が少ないような子までいますよね。
ただし、遷延性や慢性の咳の場合は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、後鼻漏症候群(簡単に言えば鼻水の垂れ込み)、感染後咳嗽(RSウイルスやマイコプラズマに感染した後の長引く咳)や受動喫煙なんかも考えられます。
お子さんの場合、「ツバつけときゃ治る」咳や鼻水もたくさんありますが、本当にそうなのかどうかは、遠慮なくご相談ください。私もお母さんと一緒に悩むかもしれませんが、きっちり診断を付けるべき病気が隠れていることもあります。
逆に、「これは待たんとしょうがないかもしれませんね」とか「いっそのこと一度薬もやめてみましょうか?」などとお話しすることもあるかもしれません。