遅れましてあけましておめでとうございます。

年明けからのインフルエンザの流行やPCの不具合で更新が途絶えておりました…

 

前任地の大阪赤十字病院で心臓外来を続けさせていただいていることから、当院では水曜午後にお休みを頂いております。年明け1回目の記事は心臓関連にさせていただこうと思います。

 

「心臓の雑音が聞こえる」と言われると、みなさん少なからず驚きと不安を覚えると思います。その原因は大人と子供では異なることが多いです。まずは小児の心雑音について簡単にお話ししてみようと思います。

 

小児では‘心雑音’がよく聞こえる

雑音‘のように’聞こえるものも含めると小児ではしばしば心雑音を聴取します。世の中のお子さんが心臓病だらけではないことからおわかりのように、心雑音が聞こえるお子さんの多くはいわゆる病気ではありません。

 

正常な心雑音と異常な心雑音

心臓が動いているところ、ましてや動いている心臓を切り開いたことがある方はほとんどいらっしゃらないと思います(笑)。正常な心臓はたくましい筋肉でできており、力強く収縮しています。そして心臓の中はツルツルの袋ではなく、特に心室は狭苦しい洞窟のような構造です。そこを勢いよく血液が流れるわけですから、正常でも雑音‘のような’音が聞こえることも多いです。そういう意味では、どのレベルから’心雑音’と呼ぶのか難しいですね。

 

一方で、‘異常な’心雑音があるのも事実です。生まれつき心臓に何らかの異常があるお子さんはおよそ1%います。ざっくりと言えば、部屋を仕切っている壁に隙間のような穴があったり、開きや閉じの悪い弁があったりすることがあります。

 

「心雑音がする」と言われたら

実は雑音の音色や場所などである程度正常らしいと判断することも可能ですが、超音波(エコー)検査で実際に見てみないと確定的なことは言えません。当院でも近日中に超音波(エコー)の機械を導入しますので一度ご相談ください。

 

大人の心雑音

大人になって聞こえるようになった心雑音は子供に比べて病的なことが多いです。大人の場合は、生まれつきのものが今さら、というよりは年齢に伴う傷み歪みというところでしょうか。個別に挙げるときりがありませんが、弁が石灰化と言ってまさに石のように硬くなって狭窄や逆流を生じたりすることが多いでしょうか。また、狭心症や心筋梗塞後などで自覚もないままに心機能が低下(収縮が弱くなったり、拡張が不十分になったり)していることもありますので、心雑音を聴取する方はもちろん、高血圧・高脂血症・糖尿病といった生活習慣病をお持ちの方も、侵襲的な検査ではありませんので定期的に行うほうがよいかと思います。